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Atelier Zum Tal

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ショップカード

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新しいショップカード兼名刺ができました。

白い紙に
濃い藍色の文字。
そして、憧れの活版印刷。

名前などのオモテ面の裏には、
英文のメッセージが入ってます。
ショップカード_c0213785_10141044.jpg


ここには、こんな想いが書かれてます。
"私の作品は、自然の色や形からインスピレーションを受けています。
それは、自然からいただいた素材に対する恩恵の念の意味があります。
日常に使えて、長く愛される器を…。
それは、結果として、自然にも優しい選択となるのではという願いを込めて。それが、私が思うモノ作りに対するフィロソフィーです。"

哲学のあるモノづくりがしたいと常々思っていたこともあり、philosophyという言葉を使いました。
モノづくりに携わる人は、
みな独自のフィロソフィーがあると思うのです。
私にとっては、モノ作りと、
環境への配慮のバランスが大事なんです。

簡単に手にはいるようになって、忘れがちだけど、
陶芸の材料は、全て自然が作り出したもの。
例えば、土も、長い長い年月をかけて花崗岩から風化してできる。
私たちが使えば、もちろん、それはなくなるし、無限に存在するわけではない。
その責任を常に感じる。

一方で、モノを作る側に立って
機械では出来ない手仕事の素晴らしいさにも気付きました。
工場などで作る大きな産業では、
仕事が細分化されてしまうけど、
私たちのような手仕事の場合、
ほとんど全ての工程を一人が責任を持ってやっています。
残念ながら、一人では作る量にも限りがありますが、私は、そうすることがむしろ自然にとっては、いいことかもしれないと思い始めてます。

昔は、工業デザインや、プロダクトデザインに憧れて、特にドイツのモノが好きでドイツ語を学んだこともありましたが、
周りまわって、今では日本の工芸品の世界にどっぷりはまっている。

私の作品は、ちょっと工業製品のようかシンプルな形が多いのかもしれない。使いやすく、収納もしやすく合理的であるという点で好きなのだと思う。
でも、海外で大量生産して安い値段で売る工業製品には魅力は感じない。
工業製品のようで、ひとつひとつ手作りで、私の作品は中間を行くモノであるのかも。


ショップカードから、
だいぶ話がそれましたが、
ひとつのデザインを
頼むまでに、私自身のモノ作りへの姿勢を深く考えるきっかけになりました。
最初は、メッセージは入れるつもりではなかったのですが、デザイナーさんの笹目さんや助川さんと対話して行くなかで、このようなアイデアが浮かんできました。
出来上がってみると、
言葉を入れることは、
私らしい選択だった気がします。
言語を学んで、少しだけど翻訳の仕事もしたりして、選ぶ言葉や書かれた書体に、かなり敏感だってんだってことに、自分でも今回発見だったのです。
そんな体験をさせてもらってよかった。

ショップカードのデザインをお願いしたのは、笠間のデザイン事務所
Sproutさんです。
出来上がりまでに、何度も話を聞いてくださりありがとうございました!
by atelier_zumtal | 2013-09-19 22:10
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